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掲載日:2013年3月18日

お題

「心と体は同時に癒せることを知って」

菊原 なおみさん 開催日 : 2012年12月15日
会 場 : 生活クラブ本部談話室
話し手 : 菊原 なおみさん
(生活クラブ生協組合員、ホメオパス)

今日は「心と体は同時に癒せることを知って」というタイトルで、私自身の体験をお話しします。私が長年患っていた婦人系の不調が改善した経緯を話します。どういう風に改善したかと改善した後自分がどう変わったかをお話しします。

どうやって改善したかというところで、どうしても私が体験したホメオパシーの話が出てきますが、今日はホメオパシーの話ではなく、私の体験をお話しするのですが、ホメオパシーという言葉の意味を最初に簡単にお話ししておきます。

ホメオパシーというのは、ヨーロッパでは200年前から伝わる自然療法です。似たものが似たものを癒すという類似の法則に基づいた療法です。ヨーロッパとかインドでは医療としても認められています。どういう風にかというと、日本の医師が漢方を使うように、現代医学の医師ではあるがホメオパシーを処方することがあるということです。日本ではまだ医療として認められていませんので、自然療法という言葉を使わせていただきます。

(ふじたまどかさんの紹介。ホメオパシーの仲間。赤羽の方)。

私がホメオパシーと出会ったのは今から11年くらい前です。私はそれ以前15年間重い生理痛に悩まされていました。お腹の痛みで起きてられず必ず寝込んでしまい、母親にお腹や腰をさすってもらって、鎮痛剤を飲んでやり過ごすという状態でした。常に鎮痛剤をポシェットに入れ、痛い時は飲んでました。結婚、出産を経ても良くなりませんでした。出産すると軽くなると聞いていましたが、私はむしろ悪化しました。11年前はそれが重症化し、排卵痛や頭痛、腰痛、股関節痛とかいろんな症状が出てくるようになりました。その頃は子育ての真っ最中で疲れやすかったり、風邪を引きやすくて、またなかなか治らなかったりとかもありました。自分の体がすごく弱ってきたなと感じていました。鎮痛剤もだんだん効かなくなってきました。日常生活に支障を来すようにまでなりました。飲んでも効かないのですが、幼稚園の送り迎えなどがあり、寝込んでいられない状況でした。なにか重い病気かも知れないと、不安な日々を過ごしていました。

そんな時幼稚園の友達からホメオパシーの話を聞きました。彼女はホメオパシーを勉強している人で、試してみたらと勧めてくれました。

私は本を買って読んでみました。その本は家庭で使えるセルフケアの本でした。「こういう症状の時は、こういう物を飲んだらいいよ」というようなことが書かれていて、私の場合だったら「生理痛だったらこういうレメディを飲んだらいいですよ」という説明が書いてあります。

レメディというのも聞き慣れないと思いますが、事物はこういう物です。原料は自然界にある植物、動物、鉱物です。それを薄めて砂糖粒にしみ込ませた物です。

私はこの本を読んでラッキーなことに、私の症状に合いそうなレメディが見つかりました。こういう本には肉体症状と精神症状の二つが書かれています。両方の症状がマッチするレメディを選ぶことになります。私は生理痛、頭痛、腰痛などがあり、肉体症状からレメディーを探していたのですが、精神症状の項目を見てすごくびっくりしました。その頃の自分とすごく似ていました。自分では気がつかなかった、あるいは考えようとしなかったことかも知れないのですが、当時自分が苦しんでいた姿そのものが書いてありました。例えば当時育児、家事に疲れ果てていて、「ああイヤダ、イヤダ」という感じのお母さんでした。そういうことが書いてあって、私はもしかしたらこれかも、と思ったのがそもそもの始まりでした。

レメディを飲んでみると信じられないほど改善しました。持ち歩いていた鎮痛剤を全部捨てました。それくらい良くなったんです。こういう経過はとても個人的な物ですので、私の経験として聞いていただきたいのですが、ゆっくり良くなる人、私のように急激に良くなる人、いろんな方がいることはお話ししておきたいと思います。

レメディを飲んで変わったことをお話しします。生理痛などの肉体症状が無くなったことはうれしかったのですが、私自身が感じていることは、体質的に強くなったということです。丈夫になったなあと実感しています。これが健康になるということかあ、と思っています。これまでは鎮痛剤を飲んで痛みは治まりますが、次の生理の時はまた飲まなくてはなりません。痛みはなくなっても丈夫になった、健康になったという実感はありませんでした。

この経験でホメオパシーについて自信がつきました。自分の〜だって自分でどうにか出来るんだ、と初めてわかりました。それまでは薬や医者に頼った人任せな人間だったんだと気づきました。

当時の精神状態には気づきたくなかったんだと思います。「家事にも育児にも疲れ果てて、何で私だけこんな苦労をしなければならないの」ということは思っちゃいけないことだったので、気がつかなったんですね。心のどこかで、あまりいいお母さん、いい奥さんじゃないなとの思いは持っていました。それがどこから来るのかは今ひとつわからなかったのですが、レメディを飲んだらそういう自分の弱さをスッと受け入れられるようになったんです。不思議なことなんですが、そのことで生きるのが楽になりました。

心と体はつながっていることは何となくわかっていましたが、身をもって体験出来ました。生活クラブの方にこういうお話しをさせていただくことにすごくご縁を感じています。何かと何かはつながっていることを生活クラブの皆さんは感じておられるのではないかと思います。物事の背後にある因果関係、今起こっていることがこの先何をもたらすのか、について生活クラブの人たちは考えて暮らしていると私は思っています。私がホメオパシーを通じて感じたことと似ているなあと思います。

私の体験からすると、今この瞬間の痛みを抑えられればそれで良いのかとか、それで私は元気になれるのか、という疑問がありました。結局目の前の症状を抑えるだけでは良くならなかったんです。こういうことは生活クラブの活動で例えると、安心で安全な生産者が作る物を利用するということと同じことかなあ、と思います。スーパーで安く売っている物を買うことは、一時的に目の前の問題を解決することかも知れない、安いからお財布に負担がかからないかも知れないとか、一時的問題の解決はありますが、どうしてスーパーの品物はこんなに安いのかを考えると、安い肥料・飼料を使って作られた作物であったり、劣悪な環境で作られた物だったりとか、そういうことを皆さんご存じだったり、想像出来るからこそ、生活クラブの物を利用されてるのではないかと思います。

石けんのこともそうです。今目の前にある汚れをとって真っ白にすることだけを考えれば、合成洗剤を買えばすむことかも知れませんが、それを使うことで何がもたらされるのかを組合員一人一人が考えているからこそ石けんを使っているのだと思います。

私はホメオパシーを通して、今目の前にあることを瞬間的に無くしても何の解決にもならないことを実感しました。多分今日来ていただいた方には何となく理解していただけると思います。

物事は一個一個切り離して考えられる物ではない、切り離して考えていると最後に行き詰まってしまうことを、私は自分の体で体験しました。今世の中が抱えている多くの問題にも通じていると思います。体の症状が無くなればいいということではないのですね。

ホメオパシーというのはその人の存在のあり方全体を捉えてアプローチするという療法です。さっきホメオパシーの本に肉体症状と精神症状の両方書かれていますと話しましたが、そもそも人間の体で起こっていることって、無関係なことは何もないと思います。何か精神的なショックが起きて体調を崩したり、例えば肉親と死別してから体調を崩したりとか、震災の後体調が悪いというのは結構聞きます。仕事のストレスとかで具合の悪い日が続いているとかの経験が皆さんにもあると思います。心と体はつながっていることを感じられていると思います。

しかしそれをきめ細かくフォローする体制が今の日本にはなかなかありません。心と体を切り離さずその人全体を治療することが、これからの日本には必要かなと思います。例えば、何年間も精神科に通っているが、鬱症状が取れないですというのを良く聞きます。そういう人にホメオパシーという別のアプローチがあることを知っていただければと思います。

28.50 (付)質問の中で話されたホメオパシーについての考え方など

体の状況と心の状況両方についての、自分の「取扱説明書」を得ることが出来ました。ホメオパス(医師)と話す中で、知らなかった自分を発見でき、そのことが症状の原因であることがわかりました。その人自身の免疫力を高めたり、治らない病気であれば、無理に延命をしないで、症状が滞りなく進行して安らかな終末を迎えられるようにするのがホメオパシーの考え方。

レメディの元になっている、例えば植物のあり方と、患者のあり方が一致するとレメディは効果を発揮します。

ホメオパシーは太極拳、西洋医学はボクシング。西洋医学は病気をたたいて治そうとしますが、ホメオパシーはその人の持っている物を引き出して、元に戻そうとします。

怪我にしても、肉体的なダメージだけでなく、「歩けなくなったらどうしよう」とか精神状態にも影響を与えトラウマのようになる。その両方をケアしないとその人の本来を取り戻すことはできません。 心がけていることは、おのれを知ることです。自分を客観視できないことをいつも意識している、自分の弱さとかも見つめられるようにする、弱いところも受け止められるようにしたいと思っています。 Easyでない状態がdiseaseなんだと思います。いつもdisがくっつかない状態にしておきたいのが私の心がけです。気持ちよく、らくちんでいられる状態を保て、自分を癒せることを大切にしたいです。


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