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掲載日 : 2018年5月23日

タイトル

講 座 名:大人の平日クラブ
川越と江戸をつないだ 新河岸川 舟運跡をたどる
案内人:赤松 英一 さん
見沼田んぼのガイドでおなじみ。ガイド歴7年。
開催日:2018年5月10日 (木)

講座の一コマ

江戸時代、川越が未曽有の大火に見舞われたとき、焼失した寺院再建のための木材を江戸から新河岸川(しんがしがわ)を使って運び込んだのが舟運(しゅううん)の始まりと言われています。やがて近隣農村の米や味噌、織物などを江戸へ運ぶ中継地として河岸が設けられ、回船問屋が繁栄し栄華を極めました。その史跡が残る新河岸川の川べりをガイドの赤松さんと歩き当時の面影を追ってきました。

水量を確保するためにわざと川を蛇行させ、そこに設けられた何ヵ所もの河岸に町ができ商売が広がる様子のお話に、辺りの田園風景を見ながら想像をふくらませました。

昼近くになり、「養老橋」に着きました。この一帯は問屋街がひしめき、ひときわ賑やかなところだったそうです。近くにある食堂で昼食をとりました。レトロな雰囲気のあるお店で、複数のおかずを組み合わせる、ちょっとユニークなメニューでおいしかったです。

午後は、「養老橋」の近くにある福岡河岸記念を訪れました。回船問屋として栄えた「福田屋」の明治時代の建物を保存・公開しています。ガイドの方の話しぶりがとても楽しく見学する時間があっという間に感じました。

帳場の前の土間の窓には鉄格子がはまっており、とにかく忙しくて受け取ったお金をそのまま投げ入れたのだとか。随所に贅を尽くした豪勢な造りの建物に、夢のような暮らしぶりを想いました。10代目当主・星野仙蔵は、明治になって舟から鉄道に時代が変わると見るや、東武東上線誘致に尽力し、上福岡駅開設には多額の寄付をするなど篤志家でもあったそうです。鉄道が通ると舟運業は傾いてしまい、47歳という若さで亡くなられてしまったそうですが長生きしていたらもっともっと…とガイドの方が残念そうに語られたのが印象的でした。

川沿いを歩きながら話を聞き、さらに記念館では回船問屋がいかに繁盛していたかを見ることで、川越の繁栄を支えた舟運の発展の様子がよくわかりました。やがて、時代とともに瞬く間に衰退していったことには、ため息が出てしまいました。

講座の一コマ 講座の一コマ 講座の一コマ

( 報告:にんたろう )

本講座チラシ PDF 170KB)